さん、こんにちわ。遠野家の癒しの素、レンです。今日は皆さんに、私が普段何をしているのかをお見せしようと思います。では、始まり始まり〜、パチパチ。ではまず最初は、朝の風景からです。
 
 
 
 
 
 
 
私はよくマスター(遠野志貴)のベッドに潜り込んで、マスターと一緒に寝ます。もちろん、猫の状態で。まあ、夢の中では以下略。マスターは寝てるとき、本当に生きているのか?と思うほど静かで、動きません。時々怖くなります。
ガチャ。
「志貴様。おはようございます。」
どうやら、翡翠さんが起こしに来たようです。でも、マスターはこの時間の彼女の呼びかけに対し、起きた例がありません。彼女もこのあたりはわかっているはずなのですが。まあ、この時間帯に起こしにくるのは彼女の習慣ですし、それにこの時間帯は彼女にとって至福の時のようです。なぜなら・・・
「志貴様・・・。」
彼女はマスターの寝顔を見るのが楽しみで、マスターが起きないのを幸いと、寝顔を見続けます。かくいう私もマスターの寝顔は好きです。ただこのときの翡翠さんは
「志貴様、志貴様、志貴様、志貴さま、志貴さま、志貴ちゃん、志貴ちゃん、志貴ちゃん、志貴ちゃん・・・・・・・・・」
・・・この有様です。普段の彼女は礼儀正しく、真面目なのですが・・・。最初の見たときは何事かと思いましたが、最近は慣れました。というか、見ないことにしました。
「う、う〜ん。」
マスターが眼を覚まされたようです。
「志貴ちゃ・・・おはようございます。志貴様。」
「あっ、うん。おはよう、翡翠。」
翡翠さんのこの変わり身の早さにもびっくりです。ある意味見習いたいものです。
「な〜。」
「ああ、レンもおはよう。」
私が挨拶すれば、マスターも挨拶を返してくれます。
私と志貴ちゃんの至福の時に入り込んでくるんじゃねえよ、このにゃん公が・・・
「翡翠?どうした?俯いて。」
「いえなんでもございません、志貴様。」
時々翡翠さんが怖いです。私に向かってなにかぼそぼそと言ったり、殺気をあててきたりするので。私は何かいけないことをしているのでしょうか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マスターが起きて、リビングに向かったので私もついて行きます。翡翠さんは未だに私に殺気をぶつけてきていますが、とりあえず気にしないことにしました。
「兄さん。おはようございます。」
「ああ、おはよう秋葉。」
今、マスターが挨拶しているのはマスターの妹の秋葉さんです。マスターの住んでいるこの遠野家の主でもあります。彼女のことは好きです。ある一点を除けば。
「志貴さん、おはようございます。」
「琥珀さんもおはよう。」
琥珀さんは少し苦手だ。嫌いじゃないけど、彼女の近くにいるとなぜか身の危険を感じるから。
「朝食の用意できてますよ。」
「ありがとう。いただくよ。」
「レンさんのも用意もできてますよ。」
「な〜。」
マスターが先に食卓の方に向かい、私もついて行こうとした時、
「ああ、兄さん。今日も凛々しい。もう、兄さん!大好きです!LOVEです!愛してます!えっ、兄さんも愛してるって?きゃー、きゃー!だめですよ兄さん、こんなところで・・・」
秋葉さんの妄想が始まりました。彼女はマスターがいなくなって一人になったとき、よく妄想を始める癖があります。先ほど言ったある一点とはこのことです。はっきり言って引きます。最初見たときドン引きしました。さすがの翡翠さんや琥珀さんも引いてました。これさえなければ、と思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
食事を済まし、マスターも先ほど学校に向かわれたので、私も外に出かけることのしました。町に出ると相変わらず人が多いです。公園に向かう途中一匹の斑猫にあいました。
「にゃ〜(これは、レンさん。どうもおはようございます。)」
「な〜(おはようございます。)」
「にゃ〜(いや〜、今日もお美しい毛並みで。)」
「な〜(どうもありがとうございます。ところで、なにか面白いこととかありました?)」
「にゃ〜(特にないですね〜。ああ、それと今日は猫会議がありますので、ぜひ出席してくださいね。)」
「な〜(わかりました。)」
「にゃ〜(では、わたしはこれで。)」
「な〜(ええ、では。)」
斑猫は去っていきました。そういえば、今日は猫会議の日でしたね。忘れてました。・・・えっ?猫会議って何、ですか?ええと、簡単に言うと人間の世界でいう婦人会みたいなもので、町の猫たちが集まって世間話や議題などを出し合ったりするものです。中々面白いんですよ。よく、遠野家が話題になったりして。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
猫会議が終了した頃には夕焼け空になっていました。今日の話題は秋葉さんのことでした。自分の関係者が話題に出るとちょっとびっくりしますよね。どんな話だったって?さすがにそれは本人の尊厳にかかわるので言えません。さて、お腹が空いてきましたし、いったん遠野家に帰るとしますか。確か、今日の晩は鯛だった気がします。嫌いじゃないんですが、鯛よりも庶民的な秋刀魚や鯖の方が好きなんですが。まあ、わがままを言うわけにはいきませんね。居候の身ですし。では、帰りますか。おや?あそこにいるのは、
「な〜。」
「あっ、黒猫さん。こんにちわ〜。」
やっぱりさつきさんでしたか。
「な〜。」
「えっ、こんなところで何してるかって?とりあえず、今日の晩御飯や使い切ってない豆電球やダンボールを探してるんだよ。」
相変わらず苦労なさっているようで。そういえば、シオンさんが見当たりませんね。
「な〜。」
「シオン?シオンならさっき用事があるとかで分かれたけど?」
用事ですか?アルクェド様のところにでも行っているのでしょうか?
「な〜。」
「うーん。はっきりと内容を聞いたわけじゃないから、よく知らないんだ。」
同盟者のさつきさんに言ってないんですか?何をなさっているんでしょう?それはそうと、
「な〜。」
「えっ?遠野君の家に来ないかって?だ、だめだよ〜。遠野君に迷惑をかけられないよ〜。」
迷惑ではないと思うんですが。むしろお喜びになると思うんですが。
「こんな汚れた服じゃ行けないよ〜。それに、もうだいぶお風呂にも入ってないし・・・」
なるほど。それは失礼しました。女の子は色々大変ですもんね。
「な〜。」
「あっ、うん。それじゃあね、黒猫さん。遠野君によろしくね!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さて、遠野家に帰ってきました。いいにおいがします。おや、一人多いですね。
「食事の招待感謝します、秋葉。」
うわ〜。シオンさんいましたよ。用事ってこれですか?・・・さつきさんが可哀想です。とりあえず、後日さつきさんに報告しますか。
「な〜。」
「あっ、レンさんお帰りなさい。ご飯の準備できてますよ。」
「な〜。」
「ええ、もちろん、デザートにケーキもありますよ。」
琥珀さんは気が利きます。ただ、時々危険な香りのするケーキを出してきたりしますが・・・。
「レン、お帰り。」
「な〜。」
「なにか楽しいこと、あったかい?」
「な〜。」
「はは、そっか。それはよかったな。」
マスターはそういった後、私を抱きかかえてかれました。マスターの腕の中は暖かいので安心します。
くそ!このにゃん公が!私の志貴ちゃんに抱かれてんじゃねえぞ!
なにか、背筋がぞっとしました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
食事が終わり、シオンさんも帰っていきました。その後、マスターは秋葉さんや琥珀さんとしばらく談笑していました。十時を知らせる鐘が鳴った後、マスターは秋葉さんや琥珀さん、翡翠さんにお休みと言って、私を抱きかかえて部屋に戻り、寝巻きに着替えました。
「それじゃ、おやすみ。レン。」
「な〜。」
マスターに返事をして、マスターは眠りに入りました。マスターはベッドに入って眠りに入るまでがとても早いです。ほら、もう呼吸が規則正しいものになりました。さて、今日最後の仕上げといきますか。私は人型になって、
ちゅ。
マスターの頬にキスして。眠りに落ちました。
 
 
 
 
 
 
 
おまけ
「全く出番なかったね。私達。」
「そうですね。」
「シエルはまだいいよね。過去の作品に数度出てるし。」
「作者が『シエル萌え』だそうなので。そうなって当たり前かと。」
「うわ。頭おかしいんじゃない、作者。」
「なんでですか!?」
「だって、あなた地味だし、カレー狂だし、年誤魔化してるし。ぶっちゃけあなたのどこに萌えがあるの?」
「言わせておけば・・・!このあーぱー吸血鬼!今日こそ滅ぼして差し上げます!」
「色々フラストレーションが溜まってたから、ちょうどいいわ。かかってらっしゃい!」
この後、延々と戦い続けます。
 
 
あとがき
レンの日常を勝手に想像してしまいました。レンの性格なんじゃこりゃ、と思った方。ごめんなさい。勘弁してください。あっ、やめて。黒鍵を投げないで。・・・さて、作中に出た猫会議で、秋葉のどんな話が出たんでしょうか?
1:秋葉の妄想癖について
2:秋葉のツンデレな性格について
3:秋葉の無駄な努力について
皆さんはどれだと思います?私としては3かと。なにが無駄なのかは申せません。あと、あとがきの上に実はおまけがあります。反転してお読みください。では、このへんで。MHPでした。


管理人より
     翡翠が〜翡翠が〜ドス黒くなってる〜
     冗談はさておき、なかなかほのぼのした風景でした。
     猫会議の秋葉については・・・まだ死にたくないので黙秘をさせてもらいます。
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